2023年5月5日朝8時過ぎ、石廊崎の駐車場に着いた。石廊崎には行ったことがなかったので、義実家へ行く前の寄り道ポイントに選んだ。この時間だと、まだ、駐車場の料金係はいなかった。駐車料金が700円に値上がりしたらしいので、係がいない今のうちに石廊崎を見てこよう。
案の定、妻子は車で寝て待ってると言う。おそらく料金係は9時には来るだろうから、一人でさっさと行くことにした。案内掲示板によると、この駐車場から石廊崎の灯台や神社へ行って帰って来るのに30~40分くらいかかるとある。9時前には戻ってこれそうだ、と歩き出したものの、まあまあ起伏のある坂道だった。普段、通勤くらいしか歩かない身には普通に疲れた。それでも、海なし県育ちとしては、海を見ると気分は上がる。

15分くらい歩くと石廊埼灯台が見えてきた。

石廊埼灯台の前を通り過ぎるとすぐに岬の先端が見える。

急な階段を降りると小さな神社があった。

こんな崖っぷちによく建てたなと思うが、この石室神社の「社殿は海岸の岩窟上に立てられた帆柱の上に造営され伊豆の七不思議のひとつとされている。」
ここには、こんな言い伝えがある。
昔、播州濱田港から塩を運んでいた千石船が石廊崎の沖で嵐に遭い、その帆柱を石廊権現に奉納すると誓って祈ったところ、無事に江戸に到着することができた。その帰途、帆柱奉納のことをすっかり忘れていると、何故か石廊崎の沖で船が進まなくなり、天候が急変して暴風雨となった。往路に誓いを立てたことを思い出した船主が千石船の帆柱を斧で切り倒すと、帆柱はひとりでに波に乗り、断崖絶壁(およそ30メートル)を石廊権現の社殿あたりまで、まるで供えたかのように打ち上げられた。同時に暴風雨も鎮まり、船は無事に播州へ戻ることができたという。
Wikipediaより

そして、伊豆最南端と言われる岬の遊歩道を歩いた。

この日は天気も良く、海風が気持ちよかった。

岬の先端にある熊野神社は「縁結びの神様」と言われているようだ。

石廊崎近くの郷に住むお静という名主の娘が、漁師の幸吉と恋に落ちたが、身分の違いで許されぬ恋であったため、幸吉は神子元島に流された。幸吉を忘れられないお静は、毎夜石廊崎の先端で火を焚き、神子元島の幸吉と愛を確かめ合っていた。
ある晩、神子元島の火が見えないことを心配したお静は、たまらず小船を出して神子元島に向かったが、折りからの大風で波は高く船は進まず、お静は一心不乱に神に祈った。その甲斐あって神子元島に漂着し、無事二人はめぐりあい結ばれた。その後二人を親たちも許すこととなり、末長く幸せに暮らしたという。
お静が火を焚いたところに熊野権現の祠が祀られ、以来、縁結びの神として知られることとなった。
Wikipediaより抜粋

小さな岬なので、すぐにぐるっと一周できる。

伝記を知って、改めて写真を見るのも興味深い。

この時は駐車場が気になっていて、せこいが、どうせなら駐車料金を免除してもらえる時間のうちに立ち去ろうと、駐車場まで急いだ。

駐車場に戻り、すぐ出発しようと車のドアを開けたが、妻の姿がない。トイレにでも行ったのかと辺りを見回すと、駐車場入口にある受付で係員と話していた。(上の写真を拡大し目を凝らしてよく見てみると、車の近くで立ち話をしている二人の姿がある。この時、料金係に声をかけられたようだ。)
結局、間に合わなかった。ただ、岬寄りにある大きな駐車場と共通料金とのことだった。

せっかく駐車料を払ったので大きな駐車場へ移り、今度は三人で岬へ行くことにした。
自分としてはまた同じ道を辿ったのだが、遊歩道上には所々、クマバチが浮遊していて鬱陶しかった。巣が近くにあって偵察要員の蜂なのだろう。初夏となり蜂も活動的になってきたようで、近くを通るたびにクマバチが威嚇してきた。明里が頭を抱える姿は、何か怖いものがいる時にとるポーズで、それは幼い頃から変わらないと思うと面白かった。

三人で岬をぐるっとした帰り、「石廊崎オーシャンパーク」で休憩した。

アイスシャーベットを食べながら寛ぐことができて楽しかった。

若林泰弘