生まれてから十歳まで箭弓神社の近くに住んでいた。

幼い頃、よく父に「散歩に行こう」と連れられて来た。

残念ながら、その頃の僕は、牡丹やツツジが綺麗だとわかっていなかった。

それより、自分と背丈が同じくらいの犬とすれ違うのが怖かった。

子供の頃なんて、そんなものだろう。

明里を見てきて、そう思う。

若林泰弘

投稿者 akari