お義母さんから話を聞いて、早速、石部にある棚田を見に行った。

初めて行ったのは、2016年の6月。田植えが終わって少したった頃だと思う。梅雨の時期で、空はどんよりとしていた。

棚田ではトラクターなどの大型機械を使えない。作業は大変なんだろうなとか思いながらブラブラ歩いていると、こんな掲示板があった。

その近くには、杭で打たれた紹介文もあった。

棚田という悪条件でも、こうした取り組みをしていることを知った。

同じ年の夏休み、今度は明里と一緒に行った。このとき明里は小学6年生で、珍しく自分から行ってみたいと言ってきたのだ。

空と海の青が混じりあい、緑がまぶしい、とても暑い日だった。汗をかいた背中が嫌で、シートにもたれずに運転して帰ったのを覚えている。

若林泰弘