2022年2月6日

「尾ノ内渓谷氷柱」を後にする頃には、日も暮れ始めていた。時間的に「秩父三大氷柱」を三つとも回るのはあきらめた。

帰宅ルート途中にある「あしがくぼの氷柱(横瀬町)」に寄ろうと思ったが入場にはネット予約が必要であることを知り、急遽、「三十槌の氷柱(秩父市大滝)」へ向かうことにした。

 駐車場に着いた時には、辺りはすっかり暗くなっていた。駐車料(500円)の他、環境整備協力金として一人200円(中学生以上)を支払う。バンガローが並んでいる「つちうちキャンプ場」を通って河原までおりて行った。結構、勾配がきついので、すべらないように注意が必要な所だ。

河原におりてから上流へ向かって歩いていくとすぐにライトアップされた氷柱を見ることができた。

「三十槌の氷柱」には「天然氷柱」と「人工氷柱」があり、確か川の上流側が「人工」だったと思うが、既に記憶は曖昧である。

しかも写真を見返しても「天然」か「人工」か区別がつかなくなってしまった。見る人が見れば判別できるのだろうが、自分には確信できる違いがわからない。

 河原で氷柱を見ていたら、子供の頃、父の実家で過ごした冬休みを思い出した。

 父の実家近くの川、というより沢に沿って従兄と「探検ごっこ」をして遊んでいた。そのとき見たのは、氷柱ではなく「氷のウサギ」だった。沢の石の上を流れる水が丸く凍ったのだろうか。沢の流れに沿っていくつも丸く凍っていた。従兄が「氷のウサギ」と言ったのも、言い得て妙だった。

もう40年以上も前のことになる。河原の凍るような空気が子供の頃の記憶を思い起こさせたようだ。

若林泰弘

投稿者 akari