例年だと8月15日か16日頃、松崎では夏まつりが開催される。(残念ながら、2020年と2021年は中止になってしまった。)

花火大会に先立って、19時から「那賀川」で灯籠流しが行われる。「ときわ大橋」と「明治商家中瀬邸」の前で流される灯籠はとても雰囲気がある。

そして、20時からは松崎海岸で花火大会が始まる。那賀川の河口に松崎港があり、港の堤防から花火が打ち上げられる。海岸から海を向けば暗闇が広がり、その暗闇の中に花火が咲く格好だ。

長さ200mくらいの海岸堤防に沿って設けられた5~6段の石段が観客席替わりになる。石段は場所取りされるくらい見物客で埋まってしまうが、石段に座れなくても、石段より前の砂浜にビニールシートを敷いて花火を鑑賞することができる。しかも、間隔をあけてゆったりと座れてしまう不思議な状態だ。おかげで時間通りに浜辺へ行っても、ゆっくり場所を確保できるのが嬉しい。

また、特筆すべきは、打ち上げ花火に織り交ぜて「水上花火」や「水中花火」も見られることだ。海面から扇形に花火が噴き上がり、初めて見た時は結構感激した。

花火大会は、時間にして15~20分くらいで、あっという間に終わってしまう。物足りなさを感じないこともない。でも、来年を楽しみにすることにして、ちょっとした余韻に浸りながら屋台をまわるのも悪くないと思うようにしている。

毎年、夏まつりの日程に合わせて帰省しており、我が家の夏の風物詩となっている。

若林泰弘