子供の頃はそれほどでもなかったのに、大人になって食べるとやたら美味しく感じるものがある。僕の場合は「うどん」と「そば」だ。子供の頃はラーメンやスパゲッティの方が好きだった。

 実家の母に、手打ちうどんをつくってくれるよう頼んだ。その際、作り方を知りたいと伝えておいたのに、実家に着いた時には、既に「うどん玉」になっていた。

うどん粉をどのように丸めていくのかを見たかったし、写真にしたかったのだが、相変わらず母は僕の言うことなど意に介さない。昔から、あからさまに僕の話を聞き流す性格は変わらない。

母の性格を今さらどうすることもできないので、あきらめて「うどん玉」をビニル袋に入れて踏んでみる。買った米が入っていた丈夫なビニル袋なので思う存分、踏むことができる。写真の足は明里。

「うどん玉」を袋から出し、鍋の中でこねる。また袋に入れて踏む。これを「うどん玉」がやわらかくなるまで繰り返す。写真の手も明里。

やわらかくなった「うどん玉」は、大福のようにしっとりとしたツヤがある。

「うどん玉」を板に移し、打ち粉をふりながら麺棒で伸ばす。僕は見ているだけなのでよくわからないが、なんとなくチカラとコツがいるみたいだ。

板いっぱいに「うどん生地」を伸ばす。この時に麺の厚さが決まるので、好みで加減をすると良さそう。僕は薄めの麺が好きだが、母は途中で疲れて厚くなる。

「うどん生地」を三つ折りに重ねて切る。切っている時の「サクサク」「ショリショリ」といった音が心地好い。切ってるのは母。

切り終わって、ちゃんと麺になっているか確認。

茹でる。好みの茹で加減であげて、冷水でしめたらできあがり。

いずれ一人で挑戦してみよう。

若林泰弘

投稿者 akari