・・・嵐山渓谷と四季折々の風景・・・
槻川の下流域に景勝地として知られる嵐山渓谷がある。この嵐山渓谷に隣接する槻川に囲まれた渓谷周辺と大平山の南西側一帯を含む緑地は、平成9年に埼玉県と嵐山町が取得した「さいたま緑のトラスト保全第3号地」として、埼玉県を代表する景勝地の一つとなっている。緑のトラスト保全地は周辺樹林地の広さ13.5ha(約41,000坪)の緑地公園として開放されている。

嵐山渓谷の地名の由来は、この地を訪れた林学博士本多静六によって名付けられた。本多博士は明治神宮の森の造営、日比谷公園等の都市公園の設計を手掛けるなどされた久喜市出身の方で、この地を昭和3年に訪れた時、その風景が京都の桂川に架かる渡月橋からの嵐山に良く似ているため、思わず「これは武蔵の国の嵐山(アラシヤマ)だ」と呟いたと言われ、ここから「嵐山渓谷(ランザンケイコク)」となり、その後、東武東上線の最寄り駅である菅谷駅は昭和10年に「武蔵嵐山駅」と改称され、町名も昭和42年に菅谷村から「嵐山町」となっている。

嵐山渓谷への道順は嵐山町街からいくつかある。街地から県道玉川熊谷線の槻川橋手前200mを右折して行く道と、平沢から遠山道の峠を下りきった嵐山渓谷駐車場の手前を左折して行く道とが有る。いずれも若干の山道で車止めがあり展望台や嵐山町名発祥の地碑がある嵐山渓谷の中心部までは車は入れない。他にも槻川橋を渡ったところにあるバーベキュー場側から槻川を飛び石伝いで行くこともできる。
なお、私の指す嵐山渓谷域は、展望台や嵐山町名発祥の地碑のある場所から半島部先端の細原までの嵐山渓谷中心部ばかりでなく、槻川橋上流域から冠水橋周辺を含む散策路を通り嵐山町名発祥の地碑まで、加えて遠山道渓谷入口にある嵐山渓谷駐車場から南側の樹林湿地帯を含む嵐山町名発祥の地碑まで、さらに標高179mの大平山山頂から南西側斜面一帯を指している。
~ つづく ~