嵐山渓谷へ行く道は、槻川橋手前200mを右折して進み杉木立の山道を抜けると、バーベキュー場河原に設けられた550余りの飛び石伝いに槻川を渡って来る遊歩道と合流する。陽の光を浴びながら進むと遊歩道の左下10m程を流れる瀞状の槻川には50cmはあろう鯉の群れを眺めることもできる。

 この遊歩道沿いの斜面にはモミジの幼木が植栽されているので先々が楽しみだ。途中Y字路を左へ行くと槻川に架かる冠水橋があり、橋を渡ると川沿いに上流方面、下流方面への遊歩道が設けられていて、この遊歩道から渓谷美や大平山を見上げると樹木の色彩を眺められる。

 一方、遠山道沿いにある嵐山渓谷駐車場側から遊歩道を進むと20mほど右下にサラサラと心地よく流れる清流が木立の間から眺められる。初夏の時季に歩くと、この遊歩道両脇には、黄色い実をつけた野イチゴ、アオハダやアオキ、マンリョウの赤い実、ムラサキシキブや野アザミ・・・等々も目を楽しませてくれる。さらに進むと桧やサワラ等の大木が木陰を作っている。渓谷中心部に到達し展望台の前方を西北へ進むと元は湿地帯だった周辺は、モミジやソメイヨシノが数多く植栽されているなかヤマボウシの白が鮮やかだ。そのうちに黄色い花を輝かすヤマブキやネムの白紫色、さらに二セアカシヤやアジサイの花も一帯を覆う。

 遊歩道の突き当たり手前左には、結晶片岩の大きな岩畳が有るので腰をおろす休息場所に格好だ。遊歩道へ戻り階段を下りると槻川で結晶片岩が清流に洗われている。この渓谷域全体に結晶片岩が露出していて規模の大きさを知ることが出来る。規模を知るのには、遠山道から左折して小倉集落方面へ行くのに槻川に架かる谷川橋上からは上流、下流とも結晶片岩が川幅全体に露出している光景が見てとれる。 

~ つづく ~

投稿者 akari